春のスギ、秋のブタクサやイネ、つらい症状に有効な花粉症対策とは?
- 公開日:2015年01月19日(月)
- 最終更新日:2024年09月25日(水)
花粉症はどうして起こるの?
今や日本人の4人に1人は花粉症と言われるほど、花粉症は広く知られていますが、花粉症はどうして起こるのでしょうか。
花粉症は、空気中を飛散してきた花粉が目、喉、鼻の粘膜から侵入し異物として認識されて、体内でIgE抗体が産生されることが原因で起こります。花粉が体内へ侵入した時にはIgE抗体が素早く花粉に反応し、マスト細胞と呼ばれる免疫細胞を刺激して、ロイコトリエンやヒスタミンなどの化学物質を放出させます。そしてロイコトリエンやヒスタミンなどが鼻や目の粘膜での炎症を引き起こし、目のかゆみ、鼻水といったつらい花粉症の症状が現れるのです。
花粉症対策には、とにかく花粉を寄せ付けないことが大切です!
のどや鼻などの粘膜から侵入した花粉が、症状を引き起こす原因となるため、とにかく体に花粉を寄せ付けないことが効果的な花粉症対策です。外出する際は、マスク、メガネ、帽子などを着用し、花粉が体に付着することを防止します。家の中に花粉を持ち込まないためにも、帰宅したら玄関前で髪や上着についた花粉を払い落としましょう。
天気の良い日は窓を開けない、布団や衣類は外に干さないなど、室内に花粉が入らないように工夫するほか、こまめに掃除を行い侵入した花粉を取り除きます。室内が乾燥すると花粉が室内を飛散するため、加湿器を使用することも花粉症対策には効果的です。
花粉症対策には「薬物療法」が効果的です!
薬物を服用して花粉症の症状を軽減させることができます。治療に用いられている代表的な薬物には、マスト細胞からのヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質の放出を抑える抗アレルギー薬、放出した化学物質の作用を抑える抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン薬などがあります。花粉症の治療薬には作用が現れるまでに時間がかかる薬物もあるため、早めに投薬を開始するとより早く効果が現れやすくなります。
鼻詰まりや目のかゆみなどの症状が重い場合には、局所的にステロイド薬(点鼻薬や点眼薬)を用いる場合もあります。より効果的に薬物療法を行うために、医師の診断にもとづいて症状に合わせた適切な薬物を使用するようにしましょう。
「減感作療法」は花粉症の唯一の根治療法!
花粉症を完治させることのできる治療法として「減感作療法」があります。花粉を少しずつ体に投与してアレルギーの反応を弱くする方法で、治療を終えるまでに数年を要する方法です。減感作療法を行うことで約7割の人が花粉症の症状が軽減したり完治したりすると報告されています。主に注射によりアレルゲンを投与しますが、正しく行わないとアナフィラキシーショックなどの副作用を引き起こすリスクがあるため、医師の指導のもとに行う必要があります。
花粉の飛散が始まるシーズン前の対策が大切ですが、それ以上に日頃から規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけて、免疫力を高めることも重要です。
この記事の監修医師
医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長
麻生 泰 医師
・慶應義塾大学医学部 非常勤講師
・日本形成外科学会
・日本美容外科学会
・日本マイクロサージャリー学会
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