豊胸手術後は授乳に影響を与える?
- 公開日:2018年09月04日(火)
- 最終更新日:2024年09月26日(木)
豊胸手術は授乳に悪影響なのか?
豊胸手術に関する不安で、授乳への影響を心配される方は少なくありません。バストにシリコンなりヒアルロン酸なり、異物をいれることが豊胸手術なので、心配になるのは無理もないことでしょう。
それでは、実際に豊胸手術は授乳に悪影響なのか?結論から言うと、「豊胸手術そのものが授乳に影響をおよぼすこと無い」です。それはヒアルロン酸注射、脂肪注入、シリコンバック、どの施術方でも同じです。
授乳は、母乳の分泌を担う乳腺で生成された母乳が、乳管を通って乳頭に運ばれるという仕組みです。豊胸手術では母乳に関する器官には触らないので、授乳には影響しません。
授乳に影響するかもしれない豊胸手術の失敗例
豊胸そのものは授乳に影響することはありませんが、なんのリスクも無いわけではありません。なぜなら、豊胸手術には失敗の可能性があるからです。
豊胸手術の失敗によって生じる問題が、授乳に影響する可能性はあります。豊胸手術の失敗で最も影響を受けやすいのが「乳腺」で、どのような失敗が乳腺に作用するのかを解説いたします。
しこりの瘢痕化
豊胸手術の失敗でも比較的よくあるのが「しこり」です。これは、体内に残ったヒアルロン酸や脂肪注入の際に混じった不純物などが固まり、バスト内に残留したものです。
しこり自体が乳腺に悪影響を及ぼすことはありませんが、しこりが瘢痕化した場合は別です。瘢痕化とは炎症をおこすことで、そうなればバストの内外に炎症が移り授乳どころでは無くなってしまいます。
シリコンバックの破損
シリコンバックは乳房内にシリコンの入ったバックを直接挿入する施術法です。そのため、衝撃や経年劣化でシリコンバックが破損して内容物が漏れ出すというケースが多数あります。
しこりと同じく、シリコンそのものは無害な物質ですが、やはり炎症を起こしてしまう要因となるもので、そうなれば授乳への悪影響は避けられません。
シリコンバックが大きすぎる
シリコンバックは大胆なバストアップが可能というメリットがあります。3カップ程度大きくすることも可能で、一気にサイズアップするためにシリコンバックを選ぶ方も多いです。
しかし、当然ながら大胆に大きくするにはそれだけ大きなシリコンバックを挿入する必要があります。普段はそれでも問題ありませんが、困るのは妊娠してからです。
妊娠すれば個人差はあっても、バストは膨らみます。その際に、バスト内に集められた脂肪によりバスト内に余裕がなくなれば、シリコンバックを圧迫します。
そうなると一緒に乳腺も圧迫され、傷ついたり母乳が排出されづらくなったりして乳腺炎となってしまう可能性があります。
授乳後に最適なコンデンスリッチ脂肪注入
授乳後にバストがしぼんだり下垂したりして、見た目のサイズ感が下がってしまったことにお悩みのお母さんは多いです。そのため、授乳後に豊胸手術をうける方も少なくありません。
授乳後なら母乳への影響を心配する必要は無いのでどの施術でも良いですが、あえて「コンデンスリッチ脂肪注入」をお勧めします。
なぜなら、授乳後はバストを支えるクーパー靱帯が伸びていることが多いため、メスでクーパー靱帯を切除してしまうシリコンバックだと、下垂の原因になってしまいます。
メスを使わずクーパー靱帯の負担が少ない脂肪注入で、それも定着率の増加としこりのリスクを減らした「コンデンスリッチ脂肪注入」が授乳後のバストアップに向いています。
まとめ
豊胸手術そのものは授乳に悪影響はありませんが、悪影響が出る可能性が高まるものではあるでしょう。そのため、豊胸手術をしても何の問題も無いというわけではありません。
しかし結婚して子供を産むために、ますは豊胸手術で女性としての魅力を上げようとする方もいます。豊胸は女性に自信を与えるものでもあるので、大きな助けにもなりえるでしょう。
豊胸手術を受けるのに、よく検討することとリスクを鑑みることは当たり前のことですが、結婚や出産を視野にいれている方は、それらも材料に加えた検討をすることが重要です。
この記事の監修医師
医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長
麻生 泰 医師
・慶應義塾大学医学部 非常勤講師
・日本形成外科学会
・日本美容外科学会
・日本マイクロサージャリー学会
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