授乳中、授乳後に胸の形が悪くなる原因
授乳中、授乳後に胸の形が悪くなったり、垂れてしまったりして悩む女性は多いです。胸の形が変化する要因はクーパー靱帯にあります。
クーパー靱帯とは乳腺を筋肉や皮膚でつないでいる束上の組織です。これが、胸の形を保つ役割を担っています。そして、クーパー靱帯はゴムのように伸び縮みするものではありません。
授乳中、授乳後はこのクーパー靱帯が伸びるあるいは断裂してしまうことが多く、それが胸の形が変化につながるので、その原因をご紹介します。
授乳による胸のしぼみ
授乳中の胸は張った状態と赤ちゃんが吸ったあとの萎んだ状態を繰り返します。その変化がクーパー靱帯の負担となり、胸のサイズが小さくても影響はあります。
栄養不足
育児で忙しく、自分の食事をおろそかにしてしまったり、出産前の体を取り戻すべく過度なダイエットをしたりするお母さんもいますが、乳腺もクーパー靱帯もれっきとした組織です。栄養不足による悪影響は受け、赤ちゃんの飲む母乳の栄養価も下がってしまいます。
前かがみな姿勢
授乳中は前かがみな姿勢になってしまうこともありますが、猫背を長時間続けているとクーパー靱帯に負担がかかり伸びてしまう原因になります。腰への負担もかかり、弱ってしまうとますます前かがみになってしまい、悪循環になります。
胸の筋肉の低下
育児は力仕事ですが、胸の筋肉は日常生活であまり使わないので、本来筋力が低下しやすいものです。授乳そのものというよりは、育児にかかりきりによる運動不足が原因です。
乳腺の発達
授乳中は乳腺が発達して胸が大きくなりますが、それにともなってクーパー靱帯が発達するとは限りません。つまりは、単純に重量が増えてクーパー靱帯が支えきれなくなって断裂してしまうということです。
ミルク派でも胸への影響はある!?
授乳が原因で胸の形が悪くなる原因なら、ミルクで育てれば問題ないのかと思いがちですが、残念ながらそうではありません。
なぜなら、乳腺の発達が胸の形が変わる原因であることを先ほど述べましたが、乳腺の発達は妊娠中期頃から始まるからです。
そもそも乳腺の発達は授乳によるものではなく、妊娠によって女性ホルモンが活性化することによって生じます。そのためこの一点に限っては授乳している、していないはあまり関係ありません。
予防法
クーパー靱帯は一度伸びたり断裂したりしてしまうと、美容整形以外の方法で胸の形を治すことができません。
クーパー靱帯には神経が通っていないので、切れても痛みを感じることもなく、自覚することもできません。そのため、胸の形が変わる前に予防することが重要となります。
姿勢を正す
授乳中や赤ちゃんを抱っこしているときは、つい前かがみな姿勢となってしまいがちですが、意識的に背筋をのばしてみましょう。正しい姿勢はクーパー靱帯だけでなく、肩や腰の負担も減らす効果があります。
筋肉トレーニング
胸の筋肉はトレーニングで鍛えるのが効果的です。ベンチプレスやダンベル運動が効果的ですが、器具を購入したりジムに通ったりする余裕がなければ、腕立て伏せなどの自重トレーニングでも十分です。
筋肉トレーニングの際、有酸素運動としてランニングを取り入れる方もいますが、胸が上下する運動はクーパー靱帯の負担となりますので、ウォーキングや自転車がお勧めです。
デコルテをマッサージする
筋肉トレーニングをする余裕がなければ、お風呂上りにデコルテをマッサージするのも効果的です。
耳の下から首筋、肩の順番で指でリンパを流すような感じでマッサージしたり、鎖骨の下を強めに押すのも良いです。
寝る時もブラをする
成人女性の大多数がブラジャーをつけずに寝てしまうようですが、これもクーパー靱帯の負担につながります。多少煩わしくてもブラジャーをつけて就寝するのが得策でしょう。
その他にもサイズが合っていないブラジャーもクーパー靱帯には良くないです。妊娠から授乳後まで胸のサイズは変化しますが、その時々に合ったサイズのブラジャーを調べましょう。
胸を揺らさないように心がける
これまでご紹介してきた予防法は全て「クーパー靱帯の負担を減らす」方法です。ランニングのような胸が揺れやすい運動は良くないと述べましたが、階段を上るときなど日常生活の中でも胸が揺れる行動は多いものです。
意識的に日々の動作を丁寧にするだけでも、クーパー靱帯の負担はかなり減らせます。
まとめ
胸の形の変化はクーパー靱帯が原因で、前述のとおりクーパー靱帯が切れたり伸びたりしても自覚症状はなく、自分で確認することもできません。
鏡で見て、形が悪くなったと実感できるようになってしまってからでは少し遅いです。そうなる前にきちんと予防しておくことが重要です。