2025年4月8日・9日の二日間、東京美容外科は台湾での海外研修プログラムを実施しました。舞台となったのは台湾を代表する美容外科クリニック。参加ドクターたちは、最新の形成外科技術を用いた高度な手術症例の見学と、現地医師たちとの技術交流を行いました。
本コラムでは、各症例の内容とその技術的特長、今後の日本美容医療への応用可能性についてレポートします。
初日の目玉はDr. Hsiaoによる肋軟骨とePTFEを組み合わせた一次隆鼻術です。
自家肋軟骨によって自然な骨格ラインを再構築し、ePTFE(人工軟骨)によって安定した高さと形状を確保。複合的素材を駆使しながらも、感染リスクを最小限に抑える繊細な縫合技術が印象的でした。この技術は日本でも徐々に注目されているハイブリッド隆鼻法の一つであり、「ナチュラルと耐久性の両立」を可能にする施術の好例といえます。
次に登場したのはDr. Wuによる筋膜下豊胸術の症例。
インプラントは自然な動きを意識して筋膜下に配置され、Inverted-T法により余剰皮膚の処理とバストのリフトアップを同時に実施。この症例では、術後の乳房下溝ラインの美しさと乳輪周囲の瘢痕最小化がポイントであり、高度な皮膚デザインと縫合技術の融合が光りました。
2日目のスタートはDr. Hsiaoによる重度の短鼻症例。
肋軟骨で支柱を再構築し、筋膜で表面の凹凸を調整。さらにePTFEで高さを出しつつコンポジットグラフトで微調整を加えるという、非常に精巧な多層構造のアプローチが披露されました。短鼻矯正は日本でもニーズの高い分野であり、同症例はその新たな可能性を示すものでした。
続く症例はシンマスティア修正に近い内容の豊胸修正術。
IMF(乳房下溝)アプローチにより再アプローチし、インプラントの「フットプリント(基底面)」を再建。バストラインの再定義と左右差の修正が実現されていました。修正術は非常に高度な評価・計画が求められる領域であり、日本国内でも今後ニーズが高まることが予想されます。
最後の症例ではDr. Chenが顎下~首にかけてのライン改善手術を実施。脂肪吸引に加え、リフトテクニックによって自然なフェイスラインが形成されていました。
「輪郭の調整は顎下から始まる」という意識が見られ、日本でもフェイスリフトとの組み合わせによるトータルデザインが注目されています。
今回の研修では、アジア人の骨格・皮膚特性を考慮した施術が中心であり、日本におけるオーダーメイド美容外科の発展に強いヒントを与えてくれました。
台湾のドクターたちは解剖学的知識とデザインセンスを融合させながら、機能と美の両立を実現しています。今後も国際的な連携と研修を通じて、より安全で洗練された美容医療の提供が期待されます。